2016-05-24

5月24日 リアリティーチェック

今朝は早朝レッスン。週末のサップ体験会でも試してくれた順子さん。今日は前回の3、4倍遠くまで鎌倉の湾の入り口それも逗子川の反対側までクルーズ。風がオンショアになり、ちょっと海面が荒れてきたものの、頑張って漕ぎ切っていたし、なによりたのしんでくれていて、私の方も思い切り楽しめた。

朝早く来るのは遠くからだと大変、でも朝の日の光や海の雰囲気は格別なのでレッスンでこれる人はスタート時間が早ければ早いほど1日の始まりの素晴らしいエネルギーに触れられると思う。

ここ一ヶ月鎌倉は市内の下水が直接海に放出されている、下水のパイプが壊れ、18000戸の下水が流されていると聞いた。
これが22日現在のその排水口の映像、えーやばいでしょう?
気のせいかもしれないが、気のせいだと思いたいが、水がかなり濁っていた。そしてクラゲが大発生。夏にクラゲが多いのは何故なのかわからないけど夏みたい。もしかしたら夏も水汚れるからそれと同じ状態だから発生しているのかな?そんなことを心配していたらまだ羽が生え揃ってないような子供のカモメがお気に何羽か浮かんでいた。近づいても逃げないし、飛ばない。それどころかなんか元気が無く、力ない感じで周りの浮いてるものを突っついてる、最初は小魚かと思ったけどそんな簡単に小魚が突っつけるわけも無く、浮かんでいる葉っぱの切れ端とかをつっついて食べ物を探している。まさか海水のなかにある大腸菌にやられて弱ってるのかな?となんだか全てそっちに不安が入ってしまう。

とはいえ私も順子ちゃんもしっかりシャワーを浴びて終了、あー気持ちよかった。とにかく波が上がったとき海に入りたいし(今の状態だったらサーフィンで入る気にはならない)お魚もしらすも心配無く食べたいし、これから暑くなったらさらに大腸菌は増えそうなので早く治りますように。


(パドルで今まで乗られた波の中で最大とされる波 by Aaron Gold 2016年1月)
ここ数日南半球フィジーでビッグウエイブが割れている、そして世界中の、(私からすればジョーズに来ていた面々)が大勢フィジーに集結してすごいセッションを繰り広げていたらしい。(今日ある方はこちらをどうぞ)
が、そこにいたほとんどの人を身震いさせる出来事もあった。

アーロンゴールドがもう少しのところで死ぬところだったのだ。


アーロンゴールドはビッグウエイブシーンでは最も尊敬されているサーファーでオアフ島ノースショアでまだパドルインのビッグウエイブがこれほどメジャーでなかった頃から当院はせずに一人きりでアウターリーフに向かいビッグウエイブをチャージしていたアンダーグラウンドビッグウエイブサーファーだった。彼の名前はビッグウエイブコミュニティーではかなり知られていたけれど、一般的なサーフ業界ではあまり知ってる人はいなかった、それが昨シーズンの冬、パドルで乗る波の最大サイズを塗り替える波に乗り、(そのとき私はたまたま伊勢のプロサーファー、にしぜこファミリーと一緒に見ていたけど肉眼でもわかるほどダントツに大きな波だった)XXLビッグウエイブアワードを勝ち取ったのでそれで一躍有名になった。そんな波に乗ってもまだインフレータブルベストを膨らませずに上がり、ジェットサポートも大丈夫と断って自力でラインナップに戻るくらいのスーパーヒーロー的存在の彼だが、今回早朝のラインナップで波に乗った時にワイプアウトし、2ウエイブホールドダウンをくらい、インサイドまで引きずられ、みんなが発見した時には顔を下にした状態で浮かんでいたらしい。マイクヒーリーをはじめ大勢のサーファーやサポーターたちがトップクラスのCPRをその場で行い、大勢の人が大声で、「カモン、アーロン、お前はそんなことでくたばるものか、戻ってこい」と激励を送る中、彼は息を吹き返した。
ある程度落ち着いた時点で本土に送られ、今は肺の中の水の量を調べている最中だというが、命には差しさわりはなさそうだった。
昨日の夜のビッグウエイブサーファーたちのインスタグラムはそのことばかりだった。それくらいみんなショックを受け、また彼が無事だったことを喜んでいた。彼ほどのサーファーにも起こりうることなら、自分にだって必ず起こる。そしてそれを考えた時、家族や自分の愛する人たちを顔が浮かばない人はいなかっただろう。
波に乗ることは素晴らしい、生きていることを実感できる、波が大きくなればなるほど死を意識し、死を意識する行為は生をより実感させ輝きが増す。でも、、、
その代償としてもしも命を失ったら、、、?
シェイン・ドリアンもグレッグ・ロングもそんな体験をしてきてそれについての考えや心の揺れ動き、そして選んだ選択などについてこれまでにも書いてきている。マウイで見ていても二人はどんなに待ってでもこれだという波以外には手を出さない。6時間海にいて一本なんていう日もある。若手はシェインたちほど波を選ばず、またワイプアウトも多い、でもアーロンの出来事を目の当たりにして考えることも多いはず。
でもだからこそビッグウエイブサーファーたちの固い友情、つながりは戦地で一緒に戦う兵士のようにつながっているし、そんな状況の中でスカルベースのようなレスキューチームが生まれ、そしてみんながサーファーでもあり、レスキューメンバーでもあり、CPRやサバイバルスキルを学ぶワークショップに参加し、ブレストレーニングを欠かさずやるようになっている。彼らのなかにはプロフットボールなどの選手に匹敵するようなトレーニングをしているものも多く、シェイン・ドリアンは自分から自慢するタイプの人ではないのであまり知られていないが、ハワイ島のクロスフィット(めっちゃきついトレーニングを短時間で回っていくようなもの)チャンピオンでもある。
それでも、、、彼らのレベルになっていったら、もう本当にあとは死ぬか生きるかは神のみぞ知るというか、神様の御心なんではないかと思ってしまうが、そこで大波に乗るのをやめる人、スローダウンする人もいないわけではないし、それを馬鹿にする人ももちろんいない、それぞれがみんな自分と向き合って、本当に自分に大切なものを考え、選択をした上で波に乗っているのだと思う。
どの選択も自分が真剣にしたものならいいと思うし誰かに何かを言われる筋合いはないと思う、でもガンガン入ってる時は大怪我や死など頭にないし、あったらあんなすごい波には乗れないと思う。でもどれだけ準備をしてトレーニングしてもそれは目の鼻の先にあることはあるんだ、そんなリアリティーチェックになる、出来事であったのは確か。人間的にも最も素晴らしいと思える、心から尊敬しているアーロン、そして人望があり、多くの、いや全てのビッグウエイブサーファーから慕われている彼がもしも無くなってしまっていたらどれほどのショックだっただろう。彼がこの先この出来事を乗り越えてどう変わっていくのか、あるいは変わらないのか私にはわからないが、是非一度ゆっくり話を聞いてみたいものだ、と思う。
本当に命を落とさないでくれてよかった。まだまだアーロンが私たちに教えること、見せてくれるべきことはたくさんある。これからもどんどん頑張って欲しい。
そして彼を助けてくれたみなさんほんとうにありがとう。ハワイのビッグウエイブサーファーたちがどれだけ普段から、それこそ波のない夏にも真剣にレスキュートレーニングをやっているか、私は見てきているが、こういう時に実際にそれを感じられることは素晴らしい。
Mahalo ke akua








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