2011-07-30

7月29日 ミツバチの羽音と地球の回転


朝、スタンドアップを試したくて、ずっとうずうずしていた一平君を連れて海上散歩。初めての人は大体ボチャンボチャンひっくり返って大変な思いを する。普段あんなひどい落ち方や転び方することなど大人になってから余りないので、かなり謙虚にさせられる経験になる。一平君はいろいろ調べてイメトレも ずいぶんしていたようで、かなり出来そうなイメージを彼自身が持っていた。でも出てみたらけちょんけちょんにやられるんだろうなあと半分かわいそうに思い ながらも半分は面白がっていたのだが、結構小さめの板であったにもかかわらずスーッと立ち上がって緊張しながらもこぎ始めてしまった。あれ?なんか調子は ずれ。結局ちょっと漕いでるうちになれてきて材木座から稲村まで漕いでしまい、その上浅くなってちょっと波が割れていた稲村で波乗りにもトライ。なんでも 器用にできてしまう人もたまにはいるけど、私みたいになんでも苦労して時間かけないと出来ない人間にはちょっと悔しい。
とても楽しそうに、普段見れない景色を楽しみながら漕いでくれてこっちも楽しさ倍増だった。自分の好きなものをほかの人も楽しんでくれ、ストークをシェアできることはいつだってうれしい。午後は前から見たいと思っていた映画を見に行った。それもこれがとっても素敵な小さなカフェのような映画館Cinama Amigoで の上映。今までいそがしくて行ったことはなかったのだけれど、いい映画が頻繁に上映されているのは知っていて、興味はあったのだが、本当にいい感じ、小さ な部屋で居心地のいい椅子(よすぎて眠くなってしまいそうだが)それにドリンクがついてゆっくり映画を楽しむ感じ。これからは出来るだけ通いたい!と思え るとっても素敵な映画館&カフェだった。
みたのはミツバチの羽音と地球の回転、 原発が建てられようとしていて山口県の端っこの場所にすむ住民たちの27年間にわたる反対運動を中心に自然エネルギーについてなどの取材も入っているド キュメンタリー映画、でも何より一番強烈に印象に残っている山口の祝島に住む人たち、元気で明るいおばあちゃんたち、タフで真っ正直な漁師さんや地元に 戻ってきてがんばろうとする若者などの生活や表情。
この映画を見終わった後、一般的に言われるサクセスとか豊かな生活なんていらないから死ぬまで リアルな人間でいたい、そしてリアルにまじめに生きている人に囲まれて生活したい、と強く思った。この世を去るときに、ああ自分は一生懸命生きたなと満足 感いっぱいで去ることが出来るような人生を送りたい、と。
こんなに大変な思いをさせられている祝島の人たちだけど、かわいそうと言うよりも、そこまで強い信念を持ち、みんなで助け合って、笑いがあふれた毎日を続けようとしているその魅力と生き生きとした様子に、ある種うらやましいという気持ちのほうが強いくらいだった。

専 門家がいろんなところでいろんなことを説明したり、、環境保護の活動家が怒りをこめてメディアに訴えるのをエネルギーがいるし、大変なことだ。そしてそれ でもまだきちんと知ろうとしていない私達は申し訳ないと思うけど、この映画に出てきた実際にその土地に住む人たち、切羽詰った思いを正しいと信じることの ために、そして自分たちの一生懸命生きてきた一生が踏みにじられ生活の基盤を壊されるまいと必死に30年近く必死の思いで反対運動をしてきたその土地の人 々の思いと勇気と行動は、どんな原発反対の理由や運動よりも私の心に訴えて来た。大きなゾウを前にしてありが戦ってるようだが、と映画のなかで一人の住民 が言っていたけれど、本当にそんな気持ちなのだろうと思う。27年間反対し続けて一度も話し合おうと歩み寄ってきたことがなかった政府に対して、そして知 らないうちにどんどん話を進めたり、何が起こっているのか議会の内容を聞かせてもらえなかったりとそんな政府を誰が信用できるのだろうか?
でもこ の映画からは怒りよりも私は真の人間の良心、強さ、勇気を感じさせてもらった。祝島の漁師さんやおばあさんたちのような人は日本のあらゆるところにいて、 それぞれ一生懸命まじめに暮らしているのだと思うと、若い(?)私たちがもっともっと真剣に考え、彼らよりずっと剛健な体を動かしてまじめな生き方につい て考えなくちゃいけないなと申し訳なく思った。
映画が始まったときその映像のラフさやそれほど洗練されていないカメラアングルに。これはみるのが しんどいかな、なんて思ったりもしたが、そんな気持ち途中で吹っ飛んでしまうほどの内容だった。ぜひぜひ少しでも多くの人に見てもらいたいと思う映画だっ たし、この映画を作った監督さんのほかの映画もしっかり見て、彼女の長い間の努力や強い重いにも触れなくてはいけないなあ、と痛感。
今日このシチュエーションでこの映画を見ることができたことに感謝。この気持ちをちゃんと行動につなげたいと思う。

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